家計に関係する所得控除
保険料や医療費、iDeCoの掛金は、支払うだけでなく税金の計算にも関係します。家計表に「控除の対象になる支出」の印を付けておくと、年末調整や確定申告での漏れを防げます。数字は国税庁タックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)によります。
所得控除で減るのは課税所得です。実際に減る税額は、控除額にその人の税率を掛けた分になります。
4つの控除の比較
| 控除 | 対象 | 控除額 | 会社員の手続き |
|---|---|---|---|
| 社会保険料控除 | 健康保険・国民年金・厚生年金・介護保険・雇用保険・国民年金基金など(生計を一にする親族の分を負担した場合も含む) | 支払った額・給与等から差し引かれた額の全額 | 給与天引き分は自動。家族の国民年金保険料などを払った場合は申告 |
| 生命保険料控除 | 一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料 | 新契約は各最高4万円、合計最高12万円 | 年末調整で保険料控除申告書に記入 |
| 医療費控除 | 本人・生計を一にする家族の医療費 | (支払った医療費-保険金等で補てんされる額)-10万円(総所得金額等200万円未満は5%)。最高200万円 | 確定申告 |
| 小規模企業共済等掛金控除 | iDeCo・企業型DCの加入者掛金、小規模企業共済、心身障害者扶養共済 | 支払った掛金の全額 | 証明書を年末調整の申告書に添付または提示 |
生命保険料控除:2026年分からの見直し
新契約(2012年1月1日以後)の控除額は、年間保険料2万円以下は全額、2万円超4万円以下は「1/2+1万円」、4万円超8万円以下は「1/4+2万円」、8万円超は一律4万円です。2026年(令和8年)分からは、23歳未満の扶養親族がいる場合、一般生命保険料(新生命保険料)の控除が別の表になり、最高6万円になります(3万円以下は全額、3万円超6万円以下は「1/2+1.5万円」、6万円超12万円以下は「1/4+3万円」、12万円超は一律6万円)。介護医療保険料・個人年金保険料は対象外です。
医療費控除とセルフメディケーション税制
医療費控除の対象は、その年の1月1日〜12月31日に実際に支払った医療費です。高額療養費や入院給付金など、保険等で補てんされる額は差し引きます。セルフメディケーション税制は、健康の保持増進などに取り組む人が特定一般用医薬品を購入した場合に選べる特例で、購入額のうち12,000円を超える部分(上限88,000円)が控除されます。通常の医療費控除とはどちらか一方しか使えません。
本稿の計算
生命保険料控除:新契約の一般生命保険料が年10万円 → 8万円超なので控除額4万円。2026年分以降で23歳未満の扶養親族がいる場合は、10万円×1/4+3万円=5.5万円。
医療費控除:総所得金額等300万円、支払った医療費25万円、保険で補てん5万円 → 25万円-5万円-10万円=10万円が控除額。
控除額×税率が税負担の軽減額です。所得税率10%なら、控除10万円で所得税は約1万円の軽減(住民税は別計算)。
相談先・申込先の選び方
控除の対象になるかどうかの一般的な説明は国税庁のタックスアンサーや税務署で確認できます。個別の税額計算や申告書の作成を他人に依頼する場合、それは税理士業務に当たり、税理士・税理士法人など以外は有償・無償を問わず行えません。FPや保険の窓口で税金の話が出たときは、一般論か個別の計算かを区別して聞き、個別の判断は税理士に確認します。
出典・確認日
- 国税庁 タックスアンサーNo.1130「社会保険料控除」
- 国税庁 タックスアンサーNo.1140「生命保険料控除」
- 国税庁 タックスアンサーNo.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」
- 国税庁 タックスアンサーNo.1135「小規模企業共済等掛金控除」
- 国税庁 タックスアンサーNo.9204「にせ税理士にご注意」
いずれも2026-10-12に確認。制度・料金・統計は改定されるため、手続きや契約の前に各リンク先の最新情報を確認してください。
更新日:2026-10-12。税額は所得や家族構成で異なります。申告内容は税務署・税理士に確認してください。
月額だけでなく、総額と条件も見てみよう。