収支を数字にする

時間を買うなら1時間いくら?家事代行・食洗機・ミールキットの損得早見表|苦労キャンセルの家計チェック

公開・内容確認:2026年10月31日

この記事の結論

  • 「浮く1時間あたりの費用」で比べると、食洗機やロボット掃除機は1時間あたり数十〜200円台、家事代行は3,000円台です(本稿の試算)。
  • 家事代行の時間単価は、手取り時給の例(手取り30万円÷160時間=1,875円)より高くなります。「時給で得か」より「空いた時間を何に使うか」で決めるのが現実的です。
  • まず毎日発生する家事を家電で減らし、それでも足りない分を家事代行やミールキットで埋めると、同じ予算で浮く時間が多くなります。
浮く1時間あたりの費用で並べると、家電と家事代行は10倍以上ちがう
浮く1時間あたりの費用で並べると、家電と家事代行は10倍以上ちがう。図を選ぶと拡大できます。

「苦労キャンセル界隈」は、ここでは、お金や道具を使って、やらなくてもよい手間を生活から外していく消費、くらいの意味で使います。

共働き・子育て世帯にとって、手間を外すこと自体は自然な選択です。ただ、家計の側から見ると「月いくら払って、週何時間浮くのか」を数字にしておかないと、いつの間にか変動費が膨らみます。この記事では、各社の公式サイトで確認できた料金だけを使い、浮く1時間あたりの費用という同じ物差しで並べます。

家事にどれくらい時間を使っている?

総務省統計局の令和3年社会生活基本調査では、6歳未満の子どもがいる夫婦と子どもの世帯で、1日あたり(週全体平均)の家事時間は夫0時間37分、妻3時間22分、育児時間は夫1時間06分、妻3時間37分でした。

家事だけでも夫婦合計で1日約4時間、週にすると約28時間です。このうち何時間を、いくらで外に出すかを考えるのが本稿の目的です。

家事代行は1時間いくら?定期とスポットの違いは?

公式サイトで料金表を確認できた2社の料金です(いずれも税込。掲載順に意味はなく、おすすめではありません)。

サービス 頻度 1時間あたり 条件
CaSy お掃除代行(〜2026年11月30日) 定期・週1回(2時間〜) 2,790円 交通費1回880円
CaSy お掃除代行(2026年12月1日〜) 定期・週1回(2時間〜) 2,950円 交通費1回880円
CaSy お掃除代行(2026年12月1日〜) 定期・2週間に1回 3,050円 同上
CaSy お掃除代行(2026年12月1日〜) スポット 3,650円 同上
タスカジ 定期 1,500〜4,190円 1回3時間固定、交通費は別途
タスカジ スポット 1,800〜4,510円 同上

CaSyは2026年12月1日に時間料金が改定されます(4週間に1回は3,190円→3,350円、週1回の1時間利用は3,190円→3,350円。お料理代行も同じ時間料金で、最低3時間から)。これから申し込む場合は、改定後の料金で計算しておくのが安全です。タスカジは家事の担い手(タスカジさん)ごとにプランA〜Kの11段階で料金が決まる仕組みです。どちらも、定期の方がスポットより1時間あたりが安く設定されています。

本稿の計算(CaSy、改定後料金)

  • 週1回2時間の定期:2,950円×2時間+交通費880円=1回6,780円
  • 1か月を52週÷12か月=約4.33週とすると、6,780円×4.33=月約29,380円で、月約8.7時間(週2時間)浮く
  • 交通費込みの1時間あたり:6,780円÷2時間=3,390円
  • スポット3時間:3,650円×3時間+880円=11,830円、1時間あたり約3,943円

タスカジは交通費の金額が依頼ごとに自動計算されるため、ここでは料金だけを示します。週1回3時間の定期で、プランAなら1回4,500円(月約19,500円)、プランEなら1回7,740円(月約33,540円)、プランKなら1回12,570円(月約54,470円)に、交通費が加わります。

ミールキット・食材宅配は1食いくら?

サービス 公式サイトで確認できた価格(税込) 注意点
nosh(冷凍の宅配食) 1食620円(10食プラン)、644円(8食)、612円(12食) 送料別。関東は4食セット1,166円、20食セット1,386円
ヨシケイ(ミールキット) お試し5daysが「1食あたり300円〜」 入会金・配達料なし。通常価格は地域のヨシケイで確認

ミールキットや宅配食で考えるべきなのは、払う総額ではなく、自炊との差額です。食材費はどのみちかかるからです。

本稿の計算(noshの10食プラン、関東)

ここでは次の仮定を置きます。

  • 自炊した場合の食材費:1食300円(仮定)
  • 宅配食にすることで、調理と片付けが1食あたり20分短くなる(仮定)
  • 送料:公式の送料一覧に10食セットの欄がないため、関東の20食セット1,386円を仮置き

計算は次のとおりです。

  • 自炊との差額:(620円−300円)×10食+送料1,386円=月4,586円
  • 浮く時間:20分×10食=約3.3時間
  • 1時間あたり:4,586円÷3.3時間=約1,376円

送料は1回ごとにかかるので、まとめて頼むほど1食あたりの負担は軽くなります。自炊の食材費をもっと高く見積もる家庭では、1時間あたりの費用はさらに下がります。

宅配クリーニングは店に行くより得?

リネットの公式料金(税込)では、ワイシャツ1点495円、スーツの上1,390円、下920円、ダウンジャケット・コート3,190円です。

送料の条件は会員の種類によって違います。

  • 無料会員:割引前のクリーニング料金が8,800円以上で往復送料無料、それ未満は往復1,980円(北海道・沖縄以外)
  • プレミアム会員(月429円):3,300円以上で往復送料無料(北海道・沖縄は5,500円以上)

本稿の計算

ワイシャツ5枚とスーツ上下1着を出した場合を考えます。

  • クリーニング代:495円×5+1,390円+920円=4,785円
  • 無料会員の場合:送料1,980円が加わり、合計6,765円
  • プレミアム会員の場合:送料無料で月会費429円を加え、合計5,214円

店舗まで出しに行く往復と受け取りの往復で、合計1時間かかると仮定すると、宅配で浮く時間は月1時間です。宅配の便利さは、時間よりも「営業時間を気にしなくてよい」点にあります。

時短家電は1時間あたりいくらになる?

食洗機

パナソニックの節約シミュレーションでは、約4人分の食器を1日2回、毎日洗う前提で、手洗いと比べて年間約191時間の時短になると試算しています(NP-TSK2・NP-TSP2の欄)。これは手洗いと拭き上げにかかる時間と、食洗機に食器をセットする時間との差で計算されています。同じ欄では、タンク式のNP-TSP2で経費(電気・ガス・水道・下水道・洗剤代)が年約10,800円の節約になるとしています。

NP-TSP2は、パナソニックの定額利用サービスで月1,980円(1〜48か月目、税込。49〜72か月目は月330円、36か月目までの解約は解約手数料5,500円)で使えます。

  • 年間の利用料(1〜48か月目):1,980円×12か月=23,760円
  • 経費の節約分を差し引く:23,760円−10,800円=12,960円
  • 1時間あたり:12,960円÷191時間=約68円

1日1回しか使わない家庭では、時短も節約額も半分になると仮定すると、1時間あたり約192円です。設置場所の寸法や給水方式は、購入・契約の前に確認してください。

ロボット掃除機

公式ストアの価格(税込)は、アイロボットのRoomba 105 Combo(自動ごみ収集ステーション付き)が59,200円、Ankerの Eufy Robot Vacuum Auto-Empty C10 が29,990円です。

ここでは、5年(60か月)使い、掃除機がけが週1時間減ると仮定します。

  • Roomba 105 Combo:59,200円÷60か月=月約987円、月約4.3時間浮く → 1時間あたり約228円
  • Eufy C10:29,990円÷60か月=月約500円 → 1時間あたり約115円

床に物が多い家では、ロボットを走らせる前の片付けが必要になり、浮く時間は短くなります。電気代や消耗品代は含めていません。

ドラム式洗濯乾燥機

干す・取り込む手間がなくなるため、時短効果は大きいと考えられます。ただし、メーカー公式で確認できる時短時間の試算と、比べやすい価格が見つからなかったため、本稿では計算していません。検討する場合は、1回の洗濯で「干す」と「取り込む」にかかる時間を1週間記録し、本体価格を使う年数の月数で割って、上と同じ式に当てはめてください。

月いくら払うと、週何時間浮く?

ここまでの試算を、月の費用と浮く時間でまとめます。

組み合わせ 月の費用 浮く時間(月) 週あたり 1時間あたり
A:食洗機(定額)+ロボット掃除機(Roomba) 約2,967円 約20.2時間 約4.7時間 約147円
B:Aに宅配食10食を追加(自炊との差額) 約7,553円 約23.6時間 約5.4時間 約320円
C:Bに家事代行の週1回2時間(CaSy改定後)を追加 約36,933円 約32.2時間 約7.4時間 約1,145円

※食洗機の月の費用は利用料1,980円そのもの(経費の節約分は差し引いていない)。浮く時間は年191時間÷12か月=約15.9時間で計算。

同じ「週あと2時間」を手に入れるのでも、家電なら月数千円、家事代行なら月3万円近くかかります。予算が限られているなら、先に家電、次に宅配、最後に家事代行の順で足していくと、1万円あたりで浮く時間が多くなります。

時給換算でいくら以上なら得?

判断の目安として「自分の手取り時給」と比べます。

  • 手取り時給=月の手取り÷月の労働時間
  • 例:手取り30万円÷160時間=1,875円、手取り25万円÷160時間=1,563円

浮く1時間あたりの費用がこの手取り時給より安ければ、「時間を買った方が、働いて稼ぐより安く時間が手に入る」と言えます。

サービス 1時間あたり(本稿の試算) 手取り時給1,875円との比較
食洗機(定額、1日2回) 約68円 大幅に安い
ロボット掃除機 約115〜228円 大幅に安い
宅配食(自炊との差額) 約1,376円 安い
家事代行(定期・週1回2時間) 約3,390円 高い
家事代行(スポット3時間) 約3,943円 高い

参考までに、令和8年度の地域別最低賃金は全国加重平均1,177円、東京都1,280円です。家事代行の時間単価が高いのは、人が来て働く以上、賃金・交通費・運営費がかかるためで、割高というより別の性質のサービスです。

したがって家事代行は、時給の損得だけで判断すると「損」になりやすいサービスです。それでも使う価値があるのは、空いた時間で子どもと過ごす、体を休める、残業や副業を断らずに済むといった、お金に換えにくい効果がある場合です。使う前に「浮いた2時間を何に使うか」を書き出しておくと、続けるかどうかを判断しやすくなります。

申し込む前のチェックリスト

  • [ ] 浮かせたい家事を1週間記録し、時間を測った
  • [ ] 月の費用を「浮く時間」で割り、1時間あたりの費用を出した
  • [ ] 手取り時給を計算し、比べた
  • [ ] 家事代行は交通費・最低利用時間・キャンセル料を確認した
  • [ ] 宅配食・宅配クリーニングは送料の条件(何円以上で無料か)を確認した
  • [ ] 家電は設置場所の寸法と、定額利用なら解約金の有無を確認した
  • [ ] 料金改定の予定がないか、公式サイトで確認した
  • [ ] 変動費の予算表に、新しい費目として書き足した

よくある質問

苦労キャンセル界隈とは何ですか?

日経トレンディの2026年ヒット予測で取り上げられたと報じられた言葉です。本稿では、お金や道具を使って面倒な手間を生活から外す消費の流れ、という意味で使っています。正確な定義は同誌の誌面で確認してください。

家事代行の相場は1時間いくらですか?

本稿で確認した2社では、定期で1時間1,500〜4,190円(タスカジ)、2,950〜3,350円(CaSy、2026年12月1日以降)でした。交通費が別にかかる点に注意してください。

家事代行は定期とスポットのどちらが安いですか?

CaSy・タスカジともに、公式料金では定期の方が1時間あたり安く設定されています。お試しはスポット、続けるなら定期という使い分けが考えられます。

食洗機は元が取れますか?

パナソニックの試算(約4人分・1日2回)を使うと、定額利用の費用から経費(水道光熱費・洗剤代)の節約分を引いた実質負担は1時間あたり約68円でした。使用回数が少ない家庭では効果が小さくなります。

ミールキットや宅配食は高くないですか?

総額で見ると高く感じますが、自炊でも食材費はかかります。自炊との差額と浮く時間で比べると、本稿の仮定(noshの10食プラン、送料は仮置き)では1時間あたり約1,376円でした。

どれから始めればいいですか?

1時間あたりの費用が安い順に、時短家電→宅配食→家事代行と足していくと、同じ予算で浮く時間が多くなります。家計全体の配分に迷う場合は、FPなどの専門家に相談するのも一つの方法です。

相談先・申込先の選び方

料金は各社の公式サイトで、申込みの直前にもう一度確認してください。家事代行は担い手やプランによって料金が変わり、宅配サービスは送料の条件が地域や注文量で変わります。本稿の試算は仮定を含むため、実際の金額は見積もりや契約画面で確認してください。

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参考資料

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